これから台湾での報告をしたいと思いますが、まず今日は全体的な感想などを書きたいと思います。 その後、詳細を順次書いていきたいと思います。まずは、第一報です。
台湾の優表演芸術劇団『優人神鼓』
は、台湾で革命的な存在でないかと思います。 合宿「雲脚太魯閣」
では彼らと一日半をいっしょに過ごしました。 彼らの太鼓は、見方によれば、日本の太鼓にそっくりな部分があります。 組太鼓や大太鼓は、日本人にとって見慣れた演目ですが、台湾人が台湾の太鼓で叩いているところが、歓迎されているのでしょう。 太鼓を叩く技術的には、僕が見るとプロとしては普通でした。
が、 彼らにしか叩けない太鼓の曲もありました。 太極拳とか少林寺の動きを取り入れたものです。 これは特長があり、日本でも評価されると思います。
彼らが使っている太鼓は、もちろん台湾製ですが、僕がこれまで見た台湾製の太鼓の中では群を抜いて質が良かったと思います。
彼らが太鼓屋さんと一緒になって楽器も改良しているからでしょう。 もちろんまだまだ浅野太鼓さんなどとは比べようもなく、問題外のレベルだとは思います。 皮は厚いのですが、弾力が少なく音ののびが感じられません。 胴は、もちろん継ぎ合わせですが、かなり質は良くなっていました。漆を何度も塗って風格もつけています。 やっと三尺級の太鼓をここまでのレベルで作れるようにはなったと、見るべきでしょう。
今回の旅で一番感じたことは、台湾での太鼓の将来性です。 日本にはない初々しい、しかも熱い熱い活気を感じました。 この優表演芸術劇団が創作太鼓を始めてまだ十数年ですが、確実に人々の心をとらえています。
最後に日に彼らのコンサートを見ましたが、本当に人気があるのがわかりました。 それに台湾で火がついたとすれば、大陸でも必ず火がつきます。 今月の26、27日、彼らは北京の劇場でも公演します。 技術的には鼓童などの方が数段上でしょうが、同じ民族として、彼らの太鼓の方が熱狂的に受け入れられるのは間違いないと思います。
小口大八さんなどは「太鼓は日本人の心、日本にしかない世界一の音楽」とかねがねおっしゃっていましたが、 「太鼓は民族の心、自分たちを表現できる世界一の音楽」だと思います。
日本人も中国人もありません。
台湾(中国も含めて)では、これまで伝統的な太鼓音楽や、それを叩くチームはありましたが、彼らのような創作太鼓チームが生まれ、世界に発信できる太鼓を叩きだしたことはありません。 僕が見た公演のすぐ後に、マカオで公演があり、今月末に北京。9月~10月がフランス一ヶ月公演で、11月頭にはフィリピン、末に大きな公演が台北であるようです。 公演に使われる太鼓セットも三セットあって、一セットはマカオに、一セットはフランスにすでにあると言っていました。まるで昔の鼓童です(今の鼓童は何セットあるのか知らないので)。 これだけ本格的な活動をしている太鼓グループが台湾にあることを僕は始めて知りました。
日本ではそのスタートが30年前だったかもしれません。台湾での彼らの活動はやっと10年、火がついたのは数年前からとのことです。今まさにスタートしている時、と言えます。
これは一部、急いでアップした写真です。 http://www.tomida-net.com/yuuzin00.html
つづく
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