竹の子掘りが教えてくれたもの | 富田和明的太鼓日記『その日の気分打!』

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太鼓打ち・富田和明の、太鼓と関係あることないことをその日の気分で綴る、和太鼓ドンドコ日記

竹の子01




我が家の大家さん家裏の山が竹林になってまして、毎年、竹の子を頂いておりましたが、今年は「トミダさん、掘りに来て」と言われ昨日行ってきましたが、


こんなに肉体労働だと思いませんでした。

というか、慣れない事をすると、体の使い方がまったく判らず、汗びっしょり、右肩パンパン。


最初、何を持っていったらいいのか判らなかったので、園芸用の小さいスコップを二つ持っていったら、大家さんに笑われました。


大きい普通のシャベルと、もっと丸みがついたシャベルと、先がマイナスになった太い鉄棒、この三点セット。

しかも、先を今朝磨いでおいた、と言うではないですか。

それくらいの準備が必要だったんですね。


今年82歳の大家さんの指導の下、何しろまったくどう掘っていいのか判らない。


竹の子の先から伸びている葉先を見て、この竹の子とはどこから伸びているのか見分け、掘っていく場所を決めるのです。

この周りに、他の根っ子がからみついているので、その根っ子を切り離しながら。

鉄棒と二つのシャベルを持ち替えながら、足場の悪い斜面で方向を定めて地面を突き刺し掘ります。


が、これが大変。


私、最初の一本を掘った時に、もうフラフラになって帰りたくなりました。

しかも、竹の子の根のところは折ってしまって、綺麗な形にはなりませんでしたし。


それでも、なんとか四本くらい掘って、すこしましに掘れて来まして、六本目でやっとまともな形で掘れました。

大家さんからも、「これくらいなら、まあいいね」と合格点をもらったところで、すでにギブアップ。


「もう一本で、最後にします」


限界でした。明日の太鼓打ちに影響します。

力の入れどころ、足の踏ん張り、体の使い方が違うのです。


足が悪くて普段歩く時は、杖をついてゆっくり足を運んでいる大家さんは、山に入ると杖を置いて、すたすたと上がっていくんです。僕よりも早く。


そして僕が大汗かいて一本掘っている間に、涼しい顔して静かにゆっくりきれいに他の竹の子を一本掘り終わっていました。


普段歩くのも大変な82歳の方が、僕よりも楽に軽く作業が出来るのですから・・・・。


ということは・・・・僕も一つ明るい希望を感じたのは、年を重ねてもやはり熟練した技は、体で覚えたことは、そのまま残っているということでした。



「私の若い頃なんか、一人で百貫目くらい掘ったんだから」



「百貫目って、何キロくらいなんですか?」



「そうだね、一貫は、三キロ半くらいだから・・・・」



「じゃ350キロじゃないですか、すごいですよ。そりゃ大仕事ですね」



「そんなことないわよ、半日でやるのよ。他に仕事が一杯あんだから」




いやいや恐れ入りました。


先ほど調べたら、一貫は、約3、75キログラムでしたので、375キロ。

どんだけの量の竹の子だったんでしょうね。。。



無駄な力を抜いて、ポイントだけ力を入れる。基本です。


大家さんを見ていると、80過ぎてもまだまだ充分太鼓は叩けそうですね。



本日も、頑張りましょう。僕はやっぱりバチ振りの方がいいです。


それと皆さん、竹の子は大事に味わって食べて下さいね、一本掘るのだって大変なんですから。



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