三日目ともなると落ち着いた気分です。
入院生活にも慣れた気がします。
昨日から大部屋に移動しましたが、大部屋と言っても四人部屋でとてもきれいですよ。 この○○病院は、とても居心地が良くて、このままここに住んでもいいなと思う?くらいです。
看護師の皆さんもとても親切です。 入院して最初に入った部屋は、ナースステーション前の個室でしたが、そこに入ってすぐ一人の看護師さんがベッドのすぐ脇まで来て座り、いろいろ笑顔で質問されました。
名前を教えてくださいね。
お誕生日はいつですか?
どんなお仕事をされていますか?
それから、趣味は何ですか?
心配事はありますか?。。。等など。
相手は仕事で聞いているのだと分かっていても、少しドキドキしますね。
年の頃なら二十代後半から三十代の妙齢の女性からこうやって聞かれる機会も、今ではまったくありませんからね。嬉しいです。
僕がお世話になっているのは、脳外科病棟ですが、一晩中「看護婦さ~ん、看護婦さ~ん」と声を上げている人もいます。
「そんなにこちらから呼んじゃいけないでしょ」と関係のない私でも、タシナメたくなります。
昨日のお昼から食事を食べてもよいことになったのですが(それまでは点滴だけでした)、この時、齊藤栄一もたまたまそこに居て、最初に運ばれた食事を見て二人で吃驚しました。
病棟の談話室で、お椀のフタを開けたら、そこに入っていたのが「きつねうどん」だったからです。
どうぢて「きつねうどん」でそんなに驚くのか?というと、
トーク齊富(さいと)で最初に演る予定だった演目が、
富田が「きつね丼、カレー丼、肉丼」と叫び、間一髪、間をおいて
齊藤が「きつねうどん、カレーうどん、にくうどん」と叫ぶ、知っている人は知っている、知らない人も知っている齊藤栄一の名作『丼うどん』でして、
二人が草加で会ってから稽古場で、ずっとこの「きつね‥‥」を叫び続けていたからです。
そこで思いもかけず入院して、病院で最初に出された食事が、「きつねうどん」でしょ。誰か聞いてたの?って言いたくなりました。
でもきつね丼ではなくて、きつねうどんだったところが、残念なんですが‥‥。
食事でもう一つ驚いたのが、病院食に、お箸がついていないのです。
病院に対して文句を言っているのではありません。
箸は自分で用意するらしいのですが、実は私、お箸を持参していました。
いつもは持ち歩いてなんかいないのに、今回だけは持っていました。
割り箸ではなく、素敵なお箸を!
それはたまたま草加に来る前日、行きつけの美容院に行った帰り、急に雨が降り出し、雨宿りで入ったお店が表参道にある箸屋さんなんで、せっかくだから一膳買っておこうと思い、可愛い箸袋と一緒に買った、それを持ってきていて今役に立っているという、不思議な因果に驚きました。
こうなったら前日に美容院に行ったのも、帰りに急に雨が降ったのも、箸を買った(買わされた)ことも、すべて入院するという事を誰かが知っていてやったとしか思えないではありませんか?
江原さん、僕には誰が付いていてくれていますか?
旅先なので、着替えもお泊りセットも持っていましたし、この発症した場所が草加というのも凄い。
なぜ凄いのかというと、この草加は入院のことならすべてお見通しという、ほとんどプロ級の介護世話人Nさん(しかも太鼓アイランド草加の代表でもありますし、他にも色々なまとめ役として存在感が大きい方)の街ですし、ここはNさん宅から歩いて5分の病院です。
いろんな事は、どこかでみんな繋がっているのではないかと思ってしまうのが、こういう時ですね‥‥。
今日の午後、一階のエントランスで、ピアノ演奏と歌のボランティア慰問がありました。 僕もこれまで病院やら施設に慰問演奏に行ったことはありますが、まさか僕が、慰問を受ける側ことになるとは思いませんでしたね。
こんな機会は、そうあるものではありませんし、そう、あって欲しくもありませんが、喜んで駆けつけました。
野田朋香(のだ ともか)さん、という素敵な女性の歌とピアノで、心静かなヒトトキを過ごすことが出来ました。
野田さんが秋にまつわる歌を何曲か一人で歌い、
その後でみんなと一緒に何曲か歌い、最後に何かリクエストを、とおっしゃるので、『琵琶湖就航の歌』を僕はリクエストして、野田さんに歌って頂きました。
何だか、とっても贅沢な時間を過ごしていますね。
そんな訳で「お見舞いに来たい」というお声も数多く頂いておりますが、どうぞご遠慮頂きますようお願いいたします。
皆様とは病院でよりも、ライブ公演会場か、ワークショップの会場でお目にかかりたいと思います。
街を歩いていたり、レストランや映画館、駅などで、偶然会うのも凄く恥ずかしいのです。どうぞ、会場の方にお越し下さい。
来週土曜日・27日の「なん駄かん打稽古」と「太鼓アイランド大田・太鼓の森」 から仕事復帰予定です。ぜひお越し下さい。お申し込み、お待ちしております。