治療ニ題、科学的と非科学的の間で | 富田和明的太鼓日記『その日の気分打!』

富田和明的太鼓日記『その日の気分打!』

太鼓打ち・富田和明の、太鼓と関係あることないことをその日の気分で綴る、和太鼓ドンドコ日記

アメリカから帰りまして、以前に増して治療とリハビリに力を入れております。



レーザー治療も初体験でしたが特に効果はなく、帰国後に最初にしたのが、Fリハビリ病院のI医師の予約です。


肩治療専門医で前に新聞でも紹介文を読んだことがありましたが、アメリカで偶然お会いした看護婦さんからもその方を薦められ、行ってみることにしました。

すぐ電話をしましたが予約が取れたのが、翌水曜・昨日の朝でした。



そしてもう一つは、知人の紹介で行ってみる事にした気功治療院の予約もたまたま同じ日の夕方が取れまして、新しい治療体験を一日に二つ経験することになりました。




まず、Fリハビリ病院に行って受付を済ませ待合室に座っていると、隣のベンチシートにどこかで見た顔の人が座っているではありませんか・・・・。


あああっと、誰だったかな~。

確かオリンピックの金メダルリストだよな~。


看護婦さんがその人の名前を呼ぶのを聞いて、思い出しました。

Sさんです。彼もここに来ているんですね。


これだけでもかなり期待感が膨らみました。


初診だったので、恒例のレントゲン撮影をした後、先生の診察が始まります。

ここは大学病院付属で、医学生の為の研修も兼ねていて、僕は学生の為の研修に同意していたので、先生以外に四五人の学生がおり、先生は彼らに説明をしながら診察を進めるので、患者である僕にもかなり判りやすい気がしました。

その時に判った気がしただけで、後で想い出そうとするとあまり覚えていなくて残念ですが・・・。

これまで整形外科病院には二ヶ所行きましたが、同じレントゲンを撮ったのに映像がまったく違って見えましたし、説明が丁寧でした。


左手の腕を上げようとするとその骨が上がるのを邪魔する骨があるので、上にあがらない。

少しずつこれをほぐして上げるようにするらしいのです。

「先生、これはどのくらい時間がかかるものなんでしょうか?」

「さあ、僕にもわからない。でもやってみましょう」

正直ものの先生です。


この後リハビリの担当医師が決められ、リハビリ室に入りました。

かなり広いフロアに担当医師と患者がコンビで座り、それぞれに色々様々に行っていました。何十組ものカップル(医師と患者)が黙々と動いています。


僕が受けた治療は、整体院やカイロプラティックで受けている治療とほとんど同じでしたが、自分でやる動きを教えてもらうのが少し多かった、というくらい。

診察をしてくれた先生のお話は良かったけれど、それが実際の治療に直結しているのか、よく判らない気がしましたが、30分ほど治療とリハビリを受けて終了。

また一週間後に来ることになりました。こうして毎週通うことになりそうです。


さて、その後夕方に予約を入れてあった気功治療院です。


ここは私の自宅から電車で1時間半、都内の高層ビルが立ち並ぶ一角に近いのに、雑多に家々が軒を並べる所にありました。

表に「治療院」の文字はなく名前の表札があるだけです。

中に入ると、前の人が治療中でした。

ここは「治る人は一回でその場で治る、治らない人は治らない」と言う(当たり前)先生ですが、待合場には、患者さんの体験談の冊子が置いてあり、数々の奇跡の体験話が書き連ねてあります。


僕も普通はこういう場所には来ない。

でもたまたま知人が教えてくれた情報なので、これも何かの縁かと思い足を運んだ次第です。

治療している部屋がオープンなのは、良かったけれど、先輩患者さんと先生の会話が怪しすぎた。

その治療中に電話も次々と掛かってきて、電話での遠隔治療も始まるのだ。

こういう場所は、治療院なのか、宗教団体なのか、政治団体なのか、またマルチ商法なのか・・・・と頭の中で駆け巡ったが、まず一度受けてみることに。


問診の後、うつ伏せに寝て、始めは整体治療と同じような手業治療。

まずまずツボは押さえていた。15分ほどマッサージが終わってその後が、この先生が独自に編み出したという気功治療。


「まず最初に血管の治療から始めて、血液の流れを良くします」


そう言って、少し離れたところから手を動かしながら、何か言葉にならない息音を吐き続けます。これも15分くらい続いたでしょうか?

僕の治療の前に二人の患者さんの治療も見ていましたが、僕が一番念入りに時間をかけて気を送ってくれたようでした。


「どうですか、少しよくなりましたか?」


えっと思いながら肩を動かして痛みを確認する僕。

「いえ、全然変わりませんが・・・・」


「そうか、今日はずいぶんとやったんだけどな」

と呟く先生。


こんな確認の会話を何回か繰り返して、3,40分過ぎたろうか、僕の今日の治療は終わった。


終わって後ろ(待合場)を見ると、三人の女性が待っていた。

一日中、こうしてひっきりなしに治療しているらしい。


僕の田舎・淡路島には「拝み屋」さんと呼ばれる職業の方が今も居る。

たぶん全国にもたくさんいるだろう。

東京の大都会でも、形を変えて科学では証明されないことを行いそれを生業としている方がいる。

自分が治療を受けたのは初めてだったけれど・・・。


「先生、今日はどうも治らなかったようですが・・・、後何回くらい治療を受ければいいでしょうか?」


「そうだね~、5回くらいかな~」


この先生がどの位の方なのかは、まだ僕には判らない。

実際に治ったという人がたくさんいる訳だから、嘘をついているわけではないのだ。

僕の体にも奇跡がもし起こったら、この先生を信じることになるだろうか・・・。


何かを頼らないと生きていけない人がたくさんいる。

一縷の望みを託したいのだ。


本物の先生であることを信じたい。



奇妙な後味の残る一日でした。