今年の暑さをみていると、夏の気合いを感じる。
ジリジリと来る。
歩くのにも相当に覚悟をして歩いている。
寒いときにも自然と足は早足になるのだが、暑いときにも人の足は自然と早足になるようだ。
のんびりと歩いては、暑くてたまらん。
ゆっくりと歩くと我が家から某駅まで15分であるが、今日は12分ほどだった。
某駅から着いた先は渋谷。
トント石井さんと12月ライブチラシ用の写真撮影の約束をしていた。
写真撮影をする時のワタクシの名前は、「YOSHINAGA Yuri」になっているのですが、これはカメラマンになった時だけなので、それ以外の時間はいつも通り富田和明でございます。
さてトントさんと会う時は、これはもうハチ公前でないと筋が通りません。
ハチ公は秋田の出身ですから、トントの身内と言ってもいいくらいです。
ハチ公は今日も、この暑い中座って待ってくれていました(今は銅像ですが)。
待ち合わせ時間の午後1時にはまだ15分前ですが、見渡すとすぐにトントを発見でき
ました。
僕はたいがいにおいてだらしない性格ですが、時間にだけは遅れるのが嫌な性分なのです。
通常ならば、15分前、或いは30分、時には1時間前に着くこともあります。
この点、トントも早い。
彼も同じような性分なのか、いつも集合時間前に会って行動している二人です。
ただ単に、二人ともヒマなんじゃないかとも言われていますが。。。
向かった先は、某私鉄改札付近の一角。
ここで素速く路上撮影会を決行したのです(一度、駅の警備員らしき人がやってきましたが、私たち二人がけっして怪しい人物などではなく、普通の会話をしていることに安堵したのか、足早に立ち去りました)。
「それじゃトント、今度は大好きな彼女が一枚しかないお前のお気に入りパンツを間
違って炊飯器に入れてご飯を炊いちゃった時の顔でいこう」
「ちょっと待ってください。オレはそれを知った時の顔ですか?それともそのご飯を
食べた時の顔ですか?」
「食べた時のだ‥‥う~ん、その顔はまだ違うな‥‥パンツはやめてやっぱフンドシ
にしちゃお」
「‥‥すみません、オレ、フンドシはきませんが」
「悪い、今だけは、はいてくれ」
こんな調子でほどなく撮影は終了し、某カフェで一休み。
席について早々、
「トミダさん、着替えに行ってきていいですか?」
「どうしたんだトント?」
見るとトントのシャツがもうびっしょり。。。今日は太鼓も叩いていないのに。
さすが汗かき太鼓打ちランキング暫定第一位のトント石井。
シャツを着替えて清々しく戻ってきたトント。
稽古スケジュールの確認をした後、さてどんなライブにしたいのか‥‥‥
真夏に冬12月のイメージをする‥‥
まずね、開演の時間になると明かりが全部落ちて真っ暗になって
ゴーーーーーシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルーゴーゴーゴゴーーー(口で吹雪の音を出している)」
「トミダさん、ちょっと待ってください」
「どうした?」
「(トント得意の手振りで下に手をやりながら)周りのお客さんがみんなこっち見て
ますから、ちょっと静かにお願いします」
「あ、ごめんごめん。シュルシュルシュルシュル(今度は小さな声で)‥‥吹雪だよ。
吹雪いてるんだよ。
そこにスポットライトがぽつんと一つ灯って‥‥、トントが座ってるんだ。
おばんでございます。むかしぃあったどさ(全部しわがれ声で)」
「それは、誰ですか?」
「秋田のばっさまだ」
「それで、どんな話するんですか?」
「それをこれから、二人で考えるんだ‥‥」
こうやって12月冬打2010『トント石井&ペドロ富田』ライブの第一回打ち合わせが始まりました。
photo/YOSHINAGA Yuri