映画の予告編『唐山大地震』 を観た。
僕の北京留学時代の或る日(1988年か89年の)、毎日見ている新聞に小さな記事を見つけた。
1976年7月28日に起こったこの地震は、発生当時ほとんど発表されていなかった。
中国はその頃、犠牲者数が2000万人とも3000万人とも云われる文化大革命がやっと収束された時で、それどころでなかったのかもしれないけれど、僕が驚いたのはこの記事だ。
地震発生から10年以上が過ぎてようやく発表されたその記事には、
「犠牲者数が数千人ではなく、30万人だった」
(さっき日記を少し探したが、切り抜きを見つけられなかったので、これは僕の記憶で数字は確かではないけれど)
と、あったからだ。
それも、本当に小さな記事で書かれてあったのを見つけた。
中国では、とっても小さな書き込み記事が、とんでもなく大きな内容であったりするので、目が離せない。
これもたった数行の発表が、どれだけ大きな事実を伝えていたことか‥‥。
こんな小さな発表だったが、やはり中国の人々はこれを忘れてはいなかった。
だからこの映画が誕生したんだ。
まだ予告編しか見ていないけれど、僕は感無量になった。