今から19年前の朝、
東京阿佐ヶ谷のアパートで寝ていた僕に一本の電話がかかってきた。
「こっちは、大丈夫やで。みんな無事や」と母。
「はぁ?」と私。
「兄貴、えらいことになっとるぞ」と弟。
慌ててテレビを付けて、驚いた。
あれから19年か。
地震の翌日、空路、淡路島へと向かう。
陸路はダメだけれど、羽田から大阪湾に浮かぶ関空まで飛んで、そこから船で淡路島津名港に渡った。
なんの問題もなく、順調に到着した。
関空に着陸する前、島の上空を旋回する。
神戸の街並みが見えた。
たくさんの場所から赤い大きな炎が上がり、もっと大きな黒煙が濛々と真っ青な空に舞い上がっていた。
あの火の中にどれだけの人が、今助けを求めているのだろうか‥‥。
想像するのが恐かった。
ほぼ満員の機内が、シンと静まり返っていた。
九万七千分の一との邂逅 淡路阪神大震災に想う
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実家の母屋が全壊になったけれど、家族は皆無事だった。
あの時、みんなが元気だった。
気がそそり立っていた。
そうしなければ、生きていけなかったからだろう。
あれから19年。
合掌。
富田和明的2020年日記、毎日配信中!